※今は無き、Yeah!!J-Pop!という音楽情報サイトに掲載されたレビューです。

このジャニーズ系の優男が白い襟立てシャツを着たアーティスト写真だけ見ると、誰もこの人がHip-Hopアーティストだなんて思わないだろう。しかしHIYOUの作る音楽はHip-Hopと呼ぶべきものであり、そのルックス同様に確かに“違う”のだ。
アルバムに収録されている楽曲を聴くと、曲ごとに色を変えていく多様な音楽性に驚きを与えられる。心地良いピアノの音色やコーラスを取り入れた、ラウンジミュージックのようなM-3『Name』。ピアノの音色に合わせて彼のフロウが宙をひらひらと舞う、M-5『Jamm'n』。管楽器の音色が実に気持ち良いM-8『Destiny』。アルバムの中で最もHip-HopしているM-9『Raft』では、彼のラッパーとしてのスキルが並では無いことが判る。HIYOUの声はどんな曲にも馴染む、クセのない素直な声で、だからこそ毎曲ごとにカメレオンのように色を変えれる。Hip-Hopをアルバム丸1枚聴くのは疲れる、という人も多いが、そんな人もこの『MNL』では飽きることなく最後まで聞けると思う。
癒されるHip-Hopと言っても良いだろうか、新種の音楽がここにはある。これをお洒落だとか聴きやすいとか言ってしまえば簡単だけれど、そこにはかなりの奥行きと幅が広がっていて、聴く者は知らず知らずに彼の世界にハマっていくに違いない。
大木彩映理