※今はなき、Yeah!!J-pop!という音楽情報サイトに掲載されたレビューです。

鳥パンク

toripunk
2004/5/26
TB-011


鳥とパンク。この何の関係もなさそうな二つの単語が合わさると、こうも魅力的な響きになるという事実。まだ聴いたことがない人は、その謎めいた名前とイメージできない得体の知れない感じにハテナマークを浮かべるだろう。
 しかし曲を全部聴いた私も未だに謎だらけなのである。「ナチュロリ」の摩訶不思議ポップワールド全開でアルバムは幕を開け、続くシーガルスクリーミングキスハーキスハーの「seventeen」のカヴァーでツワモノぶりを見せる。一曲ごとに七変化するそのスタイルはアルバムを通して続き、「heiki」では他の誰にもマネできない唯一無二のハチャメチャぶりを聴かせる。「somebody come and play」(セサミストリートのカヴァー)の爽やかさも秀逸。ラストに向かうにつれ、前半の可愛さから一変して勢いとカッコよさにおいてはパンクロックばりのパワーに溢れた曲が多くなるのには驚きだ。なかでも「Hello Judy」はパンク野郎もビックリの名曲。しかし、ラスト「summer spider」で前半のへんてこポップに逆戻りして、肩透かしを食らわせる。このサジ加減がなんとも絶妙だ。いたって自然体で自由気ままに音楽を楽しんでいる一方、気が狂うぐらい真面目に音楽と向き合っているような感じを受ける。きっとそれが彼女の持ち味だと思う。今後の彼女の変化が楽しみ。
 宅録ならではの、独特の味のあるトラックに自由奔放なヴォーカル。これからの音楽シーンにおいて必要なのは、こういう周りの景色を全て変えてしまうような、やんちゃな子供のような心構えなのではないだろうか。ネクスト・ワンダーランドがここにある。


大木彩映理